【@呼吸療法認定士対策】人工呼吸器の構造と保守②

人工呼吸器の構造と保守

こんにちは!カロンです!

今日は人工呼吸器の構成と保守について復習していきます!

突然ですが…ここで第一問

片側駆動機構とは、停電時に自動的に電源の供給をバッテリーに切り替える方式である。〇か×か?

この記事を読んで頂けると、上の問題の答えとともに以下のことが分かるようになります!

  • 人工呼吸器の主なセンサー
  • 人工呼吸器の主なアラーム
  • 人工呼吸器の安全機構

それでは今日も、カロンさんと一緒に勉強していきましょう♪

人工呼吸器は患者さんの呼吸を安全に行うため、さまざまなセンサーや制御装置で監視・コントロールされています。まずは人工呼吸器に搭載されているセンサーについて復習していきます!

人工呼吸器本体の主なセンサー

  • 酸素センサー
  • フローセンサー
  • 圧センサー

などが搭載されています。

酸素センサーは人工呼吸器内でミキシングされた圧縮空気と医療用酸素が、設定した酸素濃度になっているかをモニタリングし、フローセンサーや圧センサーは患者の吸気流速や気道内圧のモニタリングしています。

人工呼吸器のグラフィックモニター

人工呼吸器のグラフィックモニターでは設定を行う他に、患者の呼吸に関する様々な情報が表示されています。

一般的な情報について以下のものがあります。

これは患者が呼吸するごとに上述した様々なセンサーから得られた情報によって表示されています。

これらのモニタリングした情報から、患者や人工呼吸器の異常を操作者に伝えるために、人工呼吸器には様々な警報機能が搭載されています。

人工呼吸器の主なアラーム

人工呼吸器に搭載されている主なアラームについて、3つのカテゴリーにまとめました!

換気機能に関するアラーム(生命維持に直結)

  • 分時換気量低下アラーム
  • 無呼吸アラーム
  • 呼吸回数下限アラーム
  • 呼吸回数上限アラーム

気道内圧に関するアラーム(圧外傷を予防)

  • 気道内圧上限アラーム
  • 気道内圧下限アラーム

その他アラーム

  • リークアラーム
  • バッテリー駆動アラーム
  • 片側駆動アラーム

換気機能に関するアラームは、直接患者さんの生命維持に関わるため、患者さんの状態に合わせて、設定を変更することが重要です。

気道内圧に関するアラームは、痰詰まりや人工呼吸器による気胸などの圧外傷を防ぐために、重要な警報機能です。

また、実際にバッテリー駆動になっていることに気づかず人工呼吸器がバッテリー切れで、電源が落ちたことによる患者の呼吸停止事故が発生していることからも、重要な警報機能です。併せて人工呼吸器毎のバッテリー駆動可能時間を把握することも重要です。(ソースを載せる)

さて、人工呼吸器には上述したアラームの他にも、予期せぬ事態や万が一の時のための安全機構が搭載されています。

人工呼吸器の主な安全機構

人工呼吸器の主な安全機構には以下の3つがあります。

  • 安全弁機構
  • 呼気弁開放機構
  • 片側駆動機構

一つずつ説明していきます。

安全弁機構

安全弁は吸気側に取り付けられており、通常は閉じています。しかし患者の呼吸と人工呼吸器の換気がバッキングした(ぶつかった)時などに安全弁が開くことで過剰な圧を逃がし、圧外傷を予防します。

呼気弁開放機構

呼気弁は吸気の時にとじ、呼気の時に開放することで、患者にガスを送る(吸気)、吐ける(呼気)働きをしています。

医療ガスや電気の供給がオフになると開くようになっており、停電時や誤って電源スイッチがオフになった場合に、患者が呼気弁を通じて大気を吸ったり吐いたり出来るようになっています。

片側駆動機構

通常、“空気”と“酸素”の2つの配管を接続することで人工呼吸器は駆動しています。

しかし何らかの原因(停電で院内の圧縮空気作成コンプレッサーが停止してしまった、酸素ボンベ使用中に残量がなくなってしまったなど)で、どちらか一方の医療ガスが使用できなくなってしまった場合に、残りの正常な医療ガスのみだけで、人工呼吸器の駆動を続ける機構です。

例えば“空気”が使えなくなったしまった場合は、“酸素”のみで人工呼吸器が駆動するため、患者へ供給される酸素濃度は100%になります。逆の場合は酸素濃度21%のガスが患者へ供給されます。

答え合わせ

もうお分かりですね?

片側駆動機構とは停電時に自動的に電源の供給をバッテリーに切り替える方式である。〇か×か?

答えは×です!

片側駆動機構は空気と酸素の2つの医療ガスのうち、どちらかのガスが供給できなかった場合に、正常に供給されている医療ガスだけで人工呼吸器を駆動させる機構のことです。例えば、地震により圧縮空気を作る院内のコンプレッサーが壊れてしまった場合に、酸素ボンベにつないだ酸素配管のみで駆動することが出来ます。この場合、圧縮空気とミキシングして酸素濃度を調整することは出来ないため、患者へ供給される酸素濃度は100%になります。

補足ですが、前回の記事で紹介したコンプレッサー搭載人工呼吸器では、コンプレッサーが故障した場合(または酸素の供給が停止した場合)、もう一方の正常に駆動している側で人工呼吸器の駆動を継続することができます。しかし、機種によって酸素配管→コンプレッサー→吸気供給と直列に配置されている場合などはコンプレッサーが故障してしまうと、酸素配管が繋がっていても、患者への供給が出来なくなってしまうものもあるので、コンプレッサー式人工呼吸器の導入を考える場合、確認しておいたほうがいいと思います。

今日のまとめ

それでは今日のまとめです!

  • 人工呼吸器のアラームは生命維持に関わる①換気機能に関するアラーム、圧外傷を防ぐ目的の②気道内圧に関するアラーム、③その他アラームがある!
  • 人工呼吸器の安全機構には①安全弁②呼気弁開放機構③片側駆動機構があり、酸素配管・空気配管のうちどっちかが壊れちゃっても呼吸を継続することができる!

長くなってしまいましたが今日はここまで!!

今日も勉強お疲れさまでした~!!!

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